質乃蔵(しちのくら)の児玉です。
金は貴金属のなかでも大変人気があります。金相場の高騰の影響で年々金の価値が上がっている傾向もあり、金のことを知りたい人も増えてきている印象です。
金には他の金属にはない優れた性質がいくつもあり、そのために私たちの知らないところでさまざまな使われ方をしています。
金は、地金や金貨、宝飾品などの他に、どのような用途があるのか?
詳しく解説していきます。
目次
金の用途1つ目は、宝飾品です。
金の用途でまず思い浮かぶのが、指輪やネックレスなどの宝飾品です。世界中の金の消費量の半数以上が宝飾品ともいわれています。
金の純度により宝飾品の価値も変わります。柔らかく傷つきやすい金の性質から、ジュエリーには純金の割合が75%の18金(K18)のものが多く使われています。
本物の金である証として見極めるためのポイントとして、刻印の有無があります。刻印はとても小さく打ってあるため、宝石用ルーペもしくは顕微鏡で確認しないとわからないほど。ただし偽の刻印が打ってある場合もあるので注意が必要です。
金の用途2つ目は、仏教建設物です。
日本では、古くから寺院建築や仏教美術品に金が多く使われてきました。
金は装飾性と聖性の二つを兼ね備えているため、仏教美術では特に好まれて使われました。金箔を使った大きなものだと、奈良の東大寺にある大仏像(盧舎那仏)や京都の金閣寺が有名です。
金の耐腐食性という性質が、長い年月を超えて存在する仏教建築を支えてきました。東大寺の大仏が二度も戦火に見舞われながら、いまだに腐食現象が起きていないのは素材が金だからこそ。大仏は今ではその面影はないものの、当時は眩いばかりの輝きを放っていたといわれています。
金の用途3つ目は、投資です。
将来を考えて蓄財をする人が増えています。なかでも、金を金融資産として投資をする人は増加傾向です。
金は現物資産とも呼ばれ、世界経済が不安定なときこそ強さを発揮。実際に、昨年の金相場は40年ぶりの高値を更新し、金の需要はさらに高まっています。
金投資にはいくつか方法があります。
ゴールドバーや金貨は個人でも手軽に購入が可能。現物を手にすることで高揚感を味わえますが、盗難のリスクに備え保管方法を考える必要があります。
純金積立という方法は、現物を持たず、かつ低額から手軽に始められる金投資です。
金の用途4つ目は、工業用品です。
私たちの目に見えないところで活躍している金もあります。
工業用品やエレクトロ分野では、金が腐食への耐久性、導電性、展延性といった点が優れていることから金が採用されています。
たとえば、スマホ・パソコンの電子基板のなかの銅線のメッキに使われています。銅だけだと錆びてしまう可能性があるため、錆びにくい性質を持つ金を使っているのです。また、金は接触抵抗値の変化が低いため、長時間使用にも向いています。
さらに、電気信号を通しやすい導電性という特性もある点も電子部品にとってはメリットです。
他にも、半導体やLED、さらには紫外線に強いことから宇宙飛行士のヘルメットや人工衛星の保護材といった意外な分野で金は使われています。
テクノロジーに使われる金を使い捨てにせず、取り出して再利用する技術も日々研究されています。
東京2020オリンピックで使われた約5000個のメダルは、全国から使用済の小型家電を回収して集めた金属で製造されたことが話題になりました。
金の用途5つ目は、医療用品です。
目に見えないところでも金は活用されています。その一例が医療用品です。
よく知られているのは、歯科医療に使われる「金歯」でしょう。
高価なのと目立つ点から敬遠する人もいるかもしれませんが、金歯には以下のメリットがあります。
上記の他、金歯には銀やセラミックよりもぐんと寿命が長いというさらなるメリットもあります。
それ以外の医療現場では、検査時のコーティング剤やリウマチの治療、がんの治療にも金が使われています。
金の用途6つ目は、美容関係です。
美容の世界でも金は使われています。
その歴史は古く、古代エジプト時代には絶世の美女と謳われたクレオパトラが金を美容に取り入れていました。
金を使った美容法とは、具体的には金箔や金粉が成分に入ったフェイスパック・美容液などがあり、エステでは全身を金箔でパックするコースもあります。金を顔に塗るというだけで、気分も上がりそうですね。
金が美容にいいとされる理由はいくつかあります。まず、金には紫外線をはね返す性質があるため、日焼け防止効果が期待できるから。また、金には肌のターンオーバーとよみがえりに深い関係のある「生体電流」に類似した微弱電流が流れているため、くすみやシミを防ぐ美白効果があるからです。
金の用途7つ目は、食用品です。
金箔をあしらったソフトクリームやケーキ、金箔の入ったお酒は見た目の華やかさがありますね。
食用品に使われる金は食用金箔と呼ばれ、着色料・食品添加物として厚生労働省に認定されています。
食用金箔は不純物を取り除いているので、食べても人体に悪い影響はないので安心です。ただし、金箔は体内に吸収も蓄積もされずに体外へ排出されるため、特に栄養があるわけでもありません。
金は古代よりそのまばゆい輝きで多くの人々に愛されてきました。
金を使うことで、料理やスイーツは見た目がゴージャスにランクアップして見えますし、いただく方もリッチな気分を味わうことができますね。
金は一見、高級すぎて遠い存在かと思いがちですが、意外なほど私たちの生活に浸透している素材ということがおわかりいただけたと思います。特に医療や工業では金は目に見えない縁の下の力持ちといえるでしょう。ますます金から目が離せなくなりそうですね。
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