質乃蔵(しちのくら)の児玉です。
プラチナの用途はジュエリーがメインだと思っている方も多いかもしれません。実は、プラチナは工業用品にも多く使われています。中には驚くような分野でも使われているのです。
今回は、プラチナの優れた性質がどんなものに使われているのか、徹底解説します。
プラチナは白色の銀よりも落ち着いた輝きを持つ貴金属で、元素記号はPt、原子番号は78番です。和名では「白金」とも呼ばれます。ただし、金に銀やパラジウムなど別の金属を混ぜた合金である「ホワイトゴールド」と間違われやすいため、プラチナという名称が一般的です。
プラチナはレアメタルと呼ばれる希少価値のある貴金属のひとつ。レアメタルとは、「少ない産出量」「産出されるのは特定の地域のみ」「精錬に技術と時間がかかる」などの特徴を持つ金属のことです。なかでもプラチナは、金に勝るとも劣らない価値を持っています。
金相場の高騰により、価格の面でこそプラチナよりも金が勝るといえるでしょう。しかし、プラチナの採掘量は金と比べて年間20分の1、生産量は10分の1ともいわれており、1トンの原鉱石から採れる量は約3gしかありません。精錬には長い時間と技術を要しますから、プラチナの価値はさらに上がります。
日本ではジュエリーとしての用途がよく知られるプラチナですが、実際のプラチナの用途は多岐にわたります。
プラチナは純度が高いほど柔らかく、重たい金属です。融点が1,700度と高いため加工しづらいともいえます。しかし、裏を返せば物質として安定しているといえるのです。
プラチナには、他にも以下の特徴があります。
プラチナは酸化や変色しにくく安定した金属であることから、近年は宝飾用から工業用まで多岐にわたる用途に使われています。
プラチナの主な用途は、以下の通りです。
量は少ないですが、万年筆のペン先や美容にも使われていることは、あまり知られていないかもしれません。
では、一つひとつの用途について詳しく見ていきましょう。
実は、私達の身の回りの機械製品の部品にもプラチナは使われています。例えば、パソコンやテレビに内蔵されたハードディスクにはプラチナが欠かせません。
ハードディスクは情報を内部に記録するために微小な磁石を必要とします。その磁石部分に使われているのがプラチナです。
意外かもしれませんが、プラチナの工業用途で主な割合を占めるのが自動車の部品です。その割合は全体の40%ともいわれています。
近年の排ガス規制対策の影響もあり、各自動車メーカーは排ガス浄化装置の開発を余儀なくされているのです。
従来、自動車のマフラーの触媒として使われていたのはパラジウムという金属でした。ですが、パラジウムよりも耐久性が優れるプラチナに移行する自動車メーカーが増えたことでプラチナの需要は高まっています。マフラーをプラチナでコーティングすることで、触媒効果を発揮するのです。
また、プラチナは、自動車の燃料電池の材料としても使われています。耐酸性・耐食性が求められる電極板にプラチナは最適な素材です。ただし、自動車1台につき約100gの重さのプラチナが必要になるため、全体のコストが高くなるのが、たまににきずといえます。
プラチナは金と同様に酸化しづらいため、金属アレルギーになりにくい金属として知られています。そのため、さまざまな医療器具にも使われているのです。
患者の体内に入れても安全性が高いことから、ペースメーカーやカテーテル、抗がん剤の一部などに使われています。また、歯科治療での歯の詰め物にプラチナが使われることも少なくありません。
美容の現場でもプラチナは大人気です。
プラチナをナノ(10億分の1)単位に超微細化して機能性食品化したものを「白金ナノコロイド」といいます。強い抗酸化力を持つことから美肌、美髪などアンチエイジングに効果があるとされているのです。
金属を体内に入れることに抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、厚生労働省の認可済なので、安全性に問題はありません。
プラチナは万年筆のペン先にも使われています。プラチナを使った万年筆には、摩耗しにくいため長く安定した書き味を保てるという利点があります。
プラチナといえばジュエリー、宝飾品を思い浮かべる人は多いでしょう。全体の30~35%とも言われるジュエリーとしてのプラチナは特に日本人に人気。エンゲージリングといえばプラチナというイメージも強いかもしれません。
アレルギー反応を起こしにくいという実用面の他、ダイヤモンドを引き立たせるといった見た目の美しさからも好む人が多いのがプラチナです。
現在では、プラチナは採掘よりも都市鉱山のなかから「リサイクル」するものという認識が強まりつつあります。
日本国内で廃棄される電子機器や電子基板のなかには、鉱山のなかよりもプラチナが埋まっています。プラチナがほとんど産出されない国にとっては、リサイクル技術を向上させることで、持続可能な社会構築に貢献するという意味でも希望があるでしょう。
都市鉱山の埋蔵量には諸説ありますが、当面の需要を満たすには十分というのが一般的です。
私たちの生活がこれほどまでにプラチナに支えられていたとは驚きです。プラチナの用途がここまで多岐にわたるとは思っていなかった人も多いのではないでしょうか。様々な用途で私たちの日常に関わるプラチナは、より身近に感じられますね。
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