質乃蔵(しちのくら)の児玉です。
川で砂金が取れると聞くと、テンションが上がりますよね。
ですが、川で見つかる鉱物のなかには砂金と見間違えてしまうようなものも存在します。
砂金だと思い込んでぬか喜びしないためにも、砂金と砂金に似た鉱物の見分け方をお伝えしていきましょう。
もともと金という鉱物は、岩石の中の石英脈内の小さな粒子として含まれており、肉眼ですぐに見つけられるようなものではありません。
金を含む鉱脈は長い年月、侵食を受けて川に流され、さらに粒子同士が結合しながら金に結晶し、岩の下や割れ目などの「寄せ場」に溜まるのです。
砂金と間違える可能性がある鉱物の代表例として、「黄鉄鉱」(おうてっこう)と「黄銅鉱」(おうどうこう)があります。
これらの鉱物は大きな塊状態であれば金との見分けは難しくないですが、細かい粒状だと判別が困難な場合も少なくありません。
黄鉄鉱はやや白味がかった黄色をしていますが、比重は5.0(g/cm3)と金よりずっと軽い鉱物。
黄銅鉱は黄鉄鉱よりもさらに金色に近いですが、比重はさらに軽く4.2(g/cm3)です。
見た目だけでは判別しにくい砂金とこれらの鉱物ですが、見分ける方法は2つあるので紹介してきましょう。
金の比重が重いという性質を利用した方法を見ていきましょう。
砂金採集に欠かせない道具に「パンニング皿」があります。円形が一般的ですが、長方形のものもあります。
金の比重は、他の鉱物と比べて約19.32(g/cm3)と非常に大きく、パンニング方法は、その性質を利用して他の鉱物から砂金を分別する方法です。
まず、砂金を含む土砂を水ごとすくい、皿を回して水を揺らします。砂金に似た鉱物を含む土砂がパンニング皿の中を移動するのに対し、砂金はパンニング皿の底にピッタリ付着して動きません。
比重が軽い砂や鉱物はパニング皿の中で浮上します。たとえば雲母は金色に光りますがひらひらと動きますし、指でこすると崩れることからも金ではないと見分けられます。
砂金と砂金以外の鉱物以外の判別方法としては、ハンマーで叩いてみる、高いところから落としてみるなどの方法があります。
金の性質のひとつに、「展性」があります。展性とは、圧縮する力を加えたときに素材が破断せず、柔軟に変形する性質のこと。この性質のため、砂金に衝撃を与えても割れることはなく、つぶれて変形するので砂金だと判別できます。
砂金というとごく小さな粒状のものをイメージする方が多いのではないでしょうか。ほとんどの場合そうなのですが、まれに砂金とは思えないほど大きな塊状の砂金が発見されることがあります。
塊状のものは「ナゲット」と呼ばれ、非常に価値が高いです。
今までに確認された世界最大のナゲットは、27.7キロの重さ。1980年にオーストラリアの小さな都市で発見されました。当時の価格で100万ドル、現代の金相場に置き換えると1億円を超える金額がつきました。
一方、日本最大のナゲットは1900年(明治33年)に北海道で発見された769グラムのナゲットがあります。「北見枝幸(きたみえさし)砂金地」と呼ばれる地域に位置するパンケナイ川にて発見されました。
その後、枝幸郡にはちょっとしたゴールドラッシュが起こりましたが、徐々におさまっていきました。
北海道には今でもレジャーとしての砂金掘りをする人が訪れます。「ウソタンナイ砂金採掘公園」など有料で砂金取りのできる施設もありますから、砂金取りを体験してみてはいかがでしょうか。
自然あふれる場所から砂金を掘ることは違法行為なのでしょうか。
結論からいうと、はっきりと違法ともそうでないともいえないというのが妥当なところです。
砂金掘りはあくまでも趣味の域をでないかぎりは法律に抵触することはないでしょう。そもそも、まず大金がもうけられるほどの量の砂金を採掘することはほぼ不可能だからです。
もちろんやり方によっては、大量に採掘することはできるかもしれません。ですが、個人が私有地に勝手に入ったり、すでに鉱業採掘事業が行われている場所に立ち入ったりすることはやめた方が賢明です。
砂金掘りがただちに河川法や鉱業法に触れるとはいえないものの、採掘する場所や時期、規模などに関しては注意するに越したことはないでしょう。
砂金掘りは夢がある楽しいレジャーでもありますが、どうせするなら本物の砂金を探し当てたいところ。砂金と砂金に間違いやすい鉱物の見分け方を知って、砂金掘りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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