質乃蔵の児玉です。
金(GOLD)の購入を検討するにあたっては、金の作り方について知識を得ることも大切です。金の作り方について調べるなかで「冶金(やきん)」という見慣れない言葉を目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は冶金を中心に「製錬」「精錬」「精製」など、金の作り方とそれにまつわる言葉をご紹介しましょう。
目次
冶金(やきん)の「冶」とは、もともと「金属を溶かすこと」を指し、冶金の「金」とは「金属全般」を意味します。つまり冶金とは、金属を鉱石から取り出し加工すること、そしてそれに関わる技術・学問を全般的に広く表す言葉です。金という文字が含まれますが、いわゆる「Gold」のみに使われる言葉ではありません。
人類による冶金の歴史は長く、古くは紀元前5500年頃、メソポタミア地方で銅による装飾品が作られたことが最初といわれています。その後も人類は、紀元前3600年頃に青銅、紀元前1700~1100年頃には鉄を発見しました。そして精練・溶解・鋳造などの冶金技術を、著しく発展させてきたのです。
16世紀には、「デ・レ・メタリカ」という本に冶金技術について広くまとめられています。その後も新たな金属が次々と発見され、日本では採鉱冶金科・鉱山冶金科が明治時代に初めて大学に創設されました。その後、日常生活用の漢字が定められたことにより、「冶金」は「金属工学」という名称に改定されます。
あまり使われなくなった冶金という言葉ですが、鉄に関わる金属工学である「鉄冶金(てつやきん)」、粉末の金属を合成する「粉末冶金(ふんまつやきん)」などの言葉に、現在でもその痕跡を残しています。
金属を取り出し加工する過程においては製錬や精錬、精製などの言葉がよく用いられます。どの言葉も聞いたことはあるものの、意味や違いをご存知の方は少ないのではないでしょうか。金の作り方について正確に理解するためには、これらの言葉の意味や違いを知っておく必要があります。
製錬とは、鉱石などの原料から目的の金属を取り出すことです。広い意味では、後ほど解説する精錬も含む場合があります。現在、おもに用いられている製錬法は「湿式製錬」と「乾式製錬」の2つです。湿式製錬は鉱石を溶液に浸して金属を取り出す方法、乾式製錬は鉱石を高温で溶かして金属を取り出す方法をさします。
精錬とは、金属から不純物を取り除いて質を高めることです。冶金の過程上は、製錬のあとにおこなわれます。また、似た意味で使われる言葉としてあげられるのが精製です。精製とは、不純物を取り除いて質を高めることをいいます。つまり、精錬とは精製の一部であり、金属のみに限った言葉なのです。
どちらも「Refining」という英単語の和訳にあてられるため、冶金分野ではほぼ同じ意味と捉えて問題ありません。なお、冶金とは別の分野で精錬が使われる場合は、「よく鍛えられていること」を指します。たとえばスポーツチームに対して「精錬されたチーム」と言う場合、もちろん冶金は一切関係なく「よく鍛えられたチーム」という賞賛になるのです。
人類は昔から「金を作り出したい」と願い続け、中世ヨーロッパでは錬金術師たちが他の金属を金に変化させようと試みました。その試みは失敗に終わりましたが、彼らが発見した知識や技術は現在の冶金学の基礎となっています。
金は、金鉱山で採れるものと思われている方も多いことでしょう。しかし、実は私たちが日常で使うものにも多くの金が含まれています。それは携帯電話やパソコン、ゲーム機などの電子機器です。電子機器の回路基板には、微量の金が使われています。これらの金は「都市鉱山」とも呼ばれ、世界全体の埋蔵量の約16%にもなります。
現在ほとんどの金は、「インゴット」や「ゴールドバー」と呼ばれる、金塊の形で取引されています。それでは、この金塊は金鉱石からどのように作られているのでしょうか。現在の作り方の概要は、以下のとおりです。
金鉱石から金塊を作るだけであっても、多くの冶金技術が用いられていることが分かるでしょう。
鉱石から金属を取り出し加工すること、そしてそれに関わる技術・学問全般をさしているのが冶金です。また製錬や精錬、精製といった言葉は、どれも冶金に関わる言葉でありながら、それぞれ微妙に違った意味合いをもっています。冶金技術・学問の幅広さから、人類は昔から金や金属に対して強い憧れや情熱を持っていたのです。
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