海水の中に金が50億トン存在する!抽出できれば大金持ち

投稿日:2021年6月7日 更新日:2022年01月17日

質乃蔵(しちのくら)の児玉です。

海水の中には多くの希少金属が溶け込んでおり、金も50億トン程度含まれていると推測されています。これを抽出できれば大金持ちになれそうなものですが、なぜ現在に至るまで実現していないのでしょうか。海水からの金の抽出が実現していない理由には、実は採算性の問題が大きく関係しています。

今回は、海水の中に金が50億トン存在する!抽出できれば大金持ちになるについて、詳しく解説してきます。

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海水の中に金が50億トンも存在する

海水の中に金が50億トンも存在する

海水の中には様々な元素が溶け込んでいます。その数は77種類にも上り、中にはウランやリチウム、バナジウムなど、いわゆるレアメタルと呼ばれるものも少なくありません。

同じように貴重な金属である金も、50億トンもの量が溶け込んでいると推測されています。この50億トンという量がどれくらいなのかを分かりやすくするために、金の採掘量・埋蔵量と比較してみましょう。

金の採掘量・埋蔵量との比較

海水には50億トンもの金が溶け込んでいます。

  • 人類が採掘した金の量:17万トン
  • 現在地球上に残された金の埋蔵量:7万トン

 

これまでに人類が採掘した金はおよそ17万トン、そして現在地球上に残された金の埋蔵量はおよそ7万トンです。比較すると、海水に溶け込んだ金は採掘された量の約3万倍、埋蔵量の約7万倍となります。50億トンという量がどれほど莫大なものか、お分かりいただけたのではないでしょうか?

たしかに海水中の金は莫大な量ですが、濃度という観点からは、また違った見方ができます。50億トンという数字は世界中の海水から推測された量であり、1トンの海水中に含まれる金はわずか1mgにしか過ぎません。海水中の金は、総量が膨大である一方、実は濃度にすると低いとも言えます。

海水の中から金を抽出できるの?

海水の中には50億トンもの金が溶け込んでいます。抽出すれば大金持ちになれそうなものですが、なぜ現在にいたるまで実現していないのでしょうか?

結論からお伝えすると、海水中から金を抽出することは可能ですが、現在の技術では採算がとれないため、未だ実現していないのです。

いくら金がとれるとしても、利益が出なければどんな企業・国も動きません。過去にはアメリカにおいて、河川からの砂金採取が流行しましたが、これも採算がとれなかったため、やがて下火になっていきました。現在主流となっている金鉱山からの採掘も、商業化の目安は1トンにつき0.5g以上とはっきりしており、採算性を高めるために銅と一緒に採掘されることがほとんどです。

海水中の金の抽出は、現時点では夢物語と言えます。しかし、今後さらに技術が発展していけば、採算がとれる抽出法が見つかる可能性はゼロではありません。海水中の金で大金持ちになるという夢は、将来の期待事項のひとつです。

ドイツが海水から金を抽出【失敗】

採算がとれないため、実現にいたっていない海水中の金の抽出ですが、過去に挑戦した国がなかったわけではありません。過去には第一次世界大戦に敗北したドイツが、賠償金の支払いにあてるために海水中の金の抽出に挑戦しています。

第一次世界大戦後にドイツに課された賠償金は1520億金マルクでした。現在の価値になおすと日本円で約2兆円以上であり、当時のドイツ国民の総所得の約2.5倍にあたります。ドイツが海水中の金に一攫千金の夢を見たのも、無理からぬことと言えるでしょう。ノーベル化学賞を受賞したフリッツ・ハーバーらがこの研究にあたりましたが、結果的にドイツの挑戦は失敗に終わりました。

当時最高峰の科学者の力を持ってしても、やはり海水中の金で利益を出すのは難しく、計画は途中で頓挫してしまったのです。

近年は海水からレアメタルなども回収!研究が盛ん

近年では、海水からレアメタルを回収すべく、研究が盛んに行われてきました。海水中にはウランやリチウム、金など多くのレアメタルが含まれているものの、現在の段階で有効利用されているのは塩化ナトリウム(塩)・塩化マグネシウム(にがり)などごく一部と言われています。

レアメタルの中で実用化が期待されているのはリチウムです。リチウムとは携帯電話やパソコンの電池に用いられている金属であり、電子機器の需要の高まりを受けて、今後の枯渇が心配されています。海水中に含まれると推測されるリチウムの量は、金の46倍にあたる総量約2300億トンとされており、四方を海に囲まれた日本で回収が実現すれば莫大な経済効果が期待できます。

実際に佐賀大学の海洋エネルギー研究センターは、2012年に海水中からのリチウム回収の実証実験を行ったことを発表しました。研究は現在でも続いており、吸着法・イオン交換法・溶媒抽出法など様々な手段を講じて、リチウム以外にウランの取り出しも実用化を目指しています。

まとめ

海水中には金をはじめとする多くのレアメタルが溶け込んでいますが、現在の科学技術をもってしても抽出は容易ではありません。不可能ではないものの採算がとれないため、実用化に至っていないのが現状です。日本においてもリチウムの抽出研究が進んでおり、いずれはウランや金などに及ぶことも期待されています。

 

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