質乃蔵(しちのくら)の児玉です。
金の購入を検討するときに気になることといえば「本物の金かどうか」ではないでしょうか。金は密度と比重を調べることで本物か偽物かを見分けることができるのです。
今回は、金の密度と比重について知っておきたい基本知識と金の真贋を調べる方法をご紹介します。
目次
金属は、それぞれ独自の密度(重さ)を持っています。金属の密度とは同じ温度下での体積で比べた時の重さのことです。一般的には「1g/㎤」という単位で比較されます。金属の比重は水と比べて何倍になるかで表されますが、もし比重が1より小さい場合は水より軽い金属ということになるのです。
では、金の密度とはどれくらいなのか実際に見てみましょう。
金の密度は、1㎤あたり19.32gです。1㎤ではピンとこないという方のために、15cm角のサイコロで金の重さを考えてみましょう。片手に乗る程度のサイズ感しかありませんが、金で作れば重さは65.20kgにもなるのです。
金製品では「K24」「K22」「K18」という記載をよく見かけますよね。実はこの「K」から始まる数字は、金の純度を表したものです。純度が高い金は非常に柔らかく、加工しづらいので硬度を高めて扱いやすくするために銅や銀と混ぜて用いられます。混ぜられた他の金属の割合によってKにつづく数字が変わるという仕組みです。
Kは「カラット」と読み、数字は24分率で表した際の金の比率を表しています。たとえば、K24なら24/24でほぼ純度100%の金、K18なら18/24で純度75%の金、となるわけです。
では、それぞれのカラットの金の密度はどのくらいなのでしょうか?
上記のような密度になります。
金の密度を自分で調べることはできるのでしょうか。ここでは家庭でもできる比較的簡単な方法をご紹介します。
金の密度(比重)を求めるためには、以下のものを準備しましょう。
特別な器具は必要なく、はかりも料理に使うような家庭用のもので問題ありません。
物質の密度は、「重量÷体積」で求められます。重量は単純に重さのことなので、はかりを使って対象の金を測ってみてください。残る体積については、以下の手順で求められます。
ここまで説明したことを計算式にしてみましょう。
体積は「金の重量-水にいれた金の重さ」で求められるので、金の密度(比重)を求める計算式は「金の重量÷(金の重量-水に入れた金の重さ)」となります。
気になる方はぜひご自宅で挑戦してみてくださいね。
それでは最後に、本物の金かどうかを見分ける方法を5つご紹介します。いくつかの方法を併用するとより精度の高い結果が得られるので、実際に挑戦する際にはぜひ複数の方法を試してみてください。
ほとんどの金の表面には、その金の性質を表す刻印が施されています。本物の金を見分ける方法のひとつとしてこの刻印を確認してみましょう。
例えば、金の延べ棒であれば「999.9」または「FINE GOLD」という刻印が一般的です。これらはどちらも純金であることを表します。
金に他の金属が混じっている場合は、先ほど解説した「カラット」に「混ぜた金属の名前」を足して、「K+数字+金属名」が刻印されています。
といった表記です。
しかし、金属名の部分が「GP」または「GF」と刻印されているものは金メッキ製品なので購入の際には充分注意してください。
また、後にKが付くもの私達、業者の間では「あとK」と呼んでいるものも注意が必要です。
上記のように後ろにKが付くものは、東南アジア旅行などで購入された指輪やネックレスに多く見られます。
24Kと記載があっても実際はK18の比重、18Kと記載があっても実際はK14の比重と、ランクが下がる場合、もしくは偽物の金製品の可能性があるので注意が必要です。
多くの金属とは違って、金は磁石に引きつけられません(※極まれに磁石につく金製品も存在します)。銀や錫なども同じような性質を持っていますが、ニッケルは磁石に引き付けられてしまいます。磁石にくっついてしまう場合はニッケルの比率が多い金製品である可能性があるので知っておきましょう。
上記で解説した、密度から金の真贋を見極める方法です。物質の密度は家庭にあるもので求められるので、お手持ちの金の密度(比重)を調べてみましょう。
金を「試金石」と呼ばれる石に擦って跡をつけ、試金石の擦られた部分に硝酸をかけて判別する方法です。擦られたものが純金に近いほど擦ったときの跡が残ります。江戸自体から存在する伝統的な方法ですが、金に傷がついてしまうおそれがあるため、あまりおすすめの方法ではありません。
蛍光X線分析とは、金属が発する蛍光X線を測定・分析してその金属が何かを調べる方法で、美術品の鑑定や税関などで用いられている方法です。専門の機器が必要になるため、この方法もご家庭で手軽にできないので、専門の技術センターなどに依頼します。
金の真贋を見極める方法には、密度や刻印、磁石、試金石、蛍光X線分析などさまざまな手段があります。なかでも密度や刻印で調べる方法はご家庭でも簡単に試すことができるので一度挑戦してみてはいかがでしょうか。
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