質乃蔵(しちのくら)の児玉です。
金は実質資産と呼ばれ、インフレやデフレ状態など経済不安が社会に蔓延しているときにも普遍的価値を失わないのが強みです。
また、装飾品としても輝くばかりの美しさで古来より人々を魅了してきました。そんな金には多様な種類があり、それぞれ特徴や用途の違いがあります。金の購入を検討しているのであれば、金についての正しい知識を身につけることが大切です。
今回は、金の種類(K24、K22、K18)や特徴について詳しく解説していきます。
目次
金製品に刻印されているアルファベットや数字、模様がどんな意味を持つかご存じでしょうか。
刻印には、金の純度や製造・販売元といった製品情報を伝える役割があります。また、刻印は本物の金である証明にもなるのです。
日本では必ずしも金製品に刻印を入れることは義務ではありませんが、英仏などでは刻印は制度として定められています。
日常的によく目にする金の刻印として、アルファベットの「K」から始まる刻印があります。ジュエリーの内側や留め金の部分に「K18」などと刻印がされているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
ここで使われる「K」はカラットのKであり、金の純度を表す単位です。宝石の重さを表すカラット(carat)とは異なるので注意が必要です。
刻印されている数字は、金の含有率(金の純度)を表しています。この数字が大きければ大きいほど純度は高くなるのです。
日本では金の純度を24分率で表記していますが、国によって刻印の種類や表記法は異なります。ヨーロッパではKとついていない場合も多くK18なら750という表記になりますので、注意してください。
金の純度はすなわち金の含有率を意味します。日本では金の純度を示すのに24分率に基づいた表記法が採られています。それが「K」から始まる表記法で、これは金特有の表記です。
ヨーロッパでは、金について1000分率に基づいた表記法が採られています。1000分率には‰(パーミル)という単位が使われます。ちなみにシルバーやプラチナなど他の貴金属は、日本でも1000分率の表記法を導入しています。
それではここで、主な金の種類と純度を見てみましょう。
金 | 含有率 | |
K24 | 1000/1000 | 99.99%以上 |
K22 | 916/1000 | 91.7%(+他の金属8.3%) |
K18 | 750/1000 | 75%(+他の金属25%) |
K14 | 584/1000 | 58.5%(+他の金属41.5%) |
K10 | 417/1000 | 41.6%(+他の金属58.4%) |
K24は混合物の入っていないいわゆる純金のことです。K24は1000分率で表記すると999.9‰、もしくは「FINE GOLD」と表記される場合もあります。
初めから純金として鉱山で産出される金はまれであり、他の金属が混じっている場合がほとんどです。その状態から金だけを取り出すには高度な技術が必要ですから、純金はそれだけ価値が高いのです。
ジュエリーや文房具に使われる金の多くは、純金ではなく、K18など他の金属と混ぜられている合金です。純金の方が見た目的にも価値は上がりそうなものですが、なぜわざわざ混ぜ物をするのでしょうか。
その理由は、金という金属の持つ性質にあります。金は柔らかく熱に弱いので、ジュエリーに加工したときに型崩れしやすく傷つきやすいという弱点を持っています。
言い換えれば、金は展延性に優れており、他の金属と混ぜやすいともいえます。ジュエリーとして使われる金は合金にすることによって硬度を増し、金の持つ弱点を補うのです。例えば、ある程度耐久性が必要なピアスはK14金やK10金などで作られています。
ちなみに、銀や銅など他の金属と混ぜることで、ホワイトゴールド、ピンクゴールドといった人気の色出しができるというメリットもあります。混ぜる金属の割合によって色味は異なるのです。
人が金を持つ目的は、投資資産から装飾品までさまざまです。金は純度によって用途が異なります。一般的に市場で目にする金の純度は、主にK24・K22・K18・K14・K10のいずれかです。
一例として、純金はジュエリーなど装飾品にはあまり向かず、投資目的の金地金(きんじがね)や金貨として加工されるものがほとんどです。
金の購入を検討しているのであれば、金の純度別の用途についてあらかじめ知っておきたいところです。金種によって、どのような用途で使われるのか見ていきましょう。
日本では、他の金属を全く混ぜていない純度99.99%以上のものをK24 もしくは24金と呼ばれています。
純金は山吹色に近い色で、輝きは眩いほど。今後、採掘可能な金の総量は減少することが確実で、その稀少性はますます増し価値は高まっていくでしょう。
金は「実物資産」と呼ばれ、社会経済状況に左右されにくい普遍的な価値のある資産です。
金が本来持つ展延性、腐食や変色のしにくい属性を活かし、純金は金地金(インゴット、ゴールド・バー)や金貨など投資目的の製品に加工されます。
純金には及びませんが、K24 に次いで金の純度が高いがK22です。純度は91.7%。
あまり耳慣れないかもしれませんが、純金より硬度が増すため、最近ではジュエリーに使われるようになってきました。
それでも比較的柔らかいので傷がつきやすい弱点はありますが、海外では手軽に持ち運びできる資産としてK22ジュエリーを身につける人も少なくありません。
純金に近い濃いゴールドカラーはアジアなどで根強い人気を誇ります。またK22は標準金とも呼ばれ、金貨にも加工されます。
金の純度は75%と高いまま、加工に適した柔らかさや変色しにくい点など耐久性を兼ね備えているK18 はジュエリーに最適です。どのようなジュエリー製品かというと、K18金素材は、ネックレス、指輪、ペンダントトップ、タイピンなどの製品に使わることが多いです。
またK18金素材は、金と一緒に混ぜてあるのは銀、銅、パラジウムなど。配合する混合物の分量によって、ホワイトゴールドイエローゴールド、ピンクゴールドなど人気の色味に加え、レッドゴールド、グリーンゴールドまで、色鮮やかな金が楽しめます。
こうした混合物の区別は、刻印からも知ることができます。「K18WG」という刻印を一例に説明すると、WGはホワイトゴールドの略字であり、製品のなかにホワイトゴールドを作るのに必要な銀、パラジウム、ニッケルが混ざっていることがわかります。
K14になると金の純度は58.5%にまで落ち、混合物の配分が半分近くになります。その分輝きは落ちますが、価格の面では求めやすいのが魅力です。ピアスなど耐久性が必要なジュエリーによく使われています。
ジュエリー以外の用途として、より手に入れやすい万年筆やペンなどの文房具があります。
K10の金の純度は41.6%です。知名度はあまり高くないK10ですが、近年金の価格高騰の影響で世に出回るようになってきました。
金の含有率の低さから、錆びやすい、見た目が劣るなどのデメリットはありますが、安価で加工しやすいため市場に広く流通しています。
金の純度が高ければ高いほど金属アレルギーを起こしにくいですが、K10になると他の金属の混合物の割合の方が金より勝るため、金属アレルギーを起こすリスクが高くなります。肌の敏感な方は、ジュエリーを選ぶ際にK18以上を選ぶといいでしょう。
ちなみに、AHKAH(アーカー)やete(エテ)など人気ブランドの指輪、ネックレスにK10金の素材が使われています。
金製品を購入するときに気をつけたいのが、金メッキです。他の金属に金箔を張りつけただけの金メッキは一見しただけではそれと判断することができません。「24KGP」「18KGP」という刻印があったら、それは金メッキですから気をつけましょう。
GPとは「Gold Plated」の略で、真鍮などの金属に金箔を貼りつけて加工したものです。金箔部分は非常に薄いため、ジュエリーとして身につけているうちに摩擦でメッキが剥離してしまうこともしばしばあります。
ちなみに似た加工品の刻印にGF(Gold Filled)があります。和訳すると金張りといい、ベースになる金属に総重量の5%にあたる金合金で貼り合わせたものです。金メッキよりは金の部分が厚く、表面処理だけの金メッキに比べて原子レベルで合金化されているため、剥離しにくいというメリットがあります。
ジュエリーは直接肌に触れるものなので、肌が弱い人や金属アレルギーがある人は金メッキ製品には要注意です。かぶれて赤くなったらただちに使用は止めましょう。
一口に金といっても、これだけの種類があることに驚かれたかもしれません。目的と用途によってどんな金を購入すればいいか、選ぶ際の参考にしてください。
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