金の輸入!海外から金製品を持ち込みする場合2つの注意点

投稿日:2021年6月26日 更新日:2021年09月30日

金の輸入

質乃蔵(しちのくら)の児玉です。

金相場の高騰が続いています。それにともない、海外で購入した金を国内で売って儲けようと考える人が増えていますが、金の輸入には注意が必要です。

法に触れることにならないよう、金の輸入に関する注意点や制度を把握しておきましょう。

金とプラチナ相場は、現在高騰しています。日々変動する貴金属買取相場について、分かりやすくグラフと数字で掲載してます。1gあたりの買取価格ですので、詳しい情報を知りたい方は、ご覧ください。
>>「金・プラチナ買取価格」についてはこちら

 

海外から金製品を持ち込みする場合の2つの注意点

税関

金を海外で購入して国内に持ち込むする場合は注意が必要です。ちなみに総額20万円までの持ち込みだと、免税範囲内なので大丈夫です。

金を輸入する場合、誰でも従わなくてはならない国が定めた関税法・消費税法などの決まりがあります。

金を海外で購入して国内に持ち込む場合の主な決まりは以下の2点です。

 

  1. 重量1kg以上の金の地金(純度90%以上)を持ち込む場合、事前に税関にて申告すること
  2. 1の条件に当てはまらない場合も、他の物品と合わせて価格が20万円以上を超える金を持ち込む場合も、事前に税関にて申告すること

 

1の場合に提出する申告書の正式名称は「支払手段等の携帯輸出・輸入申告書」です。金の地金(純度90%以上)で1㎏を超えるものが「支払手段」とみなされます。さらに、2にも該当する場合は、別途「携帯品・別送品申告書」にも記入が必要です。

1には該当しなくても2に当てはまる場合は、「携帯品・別送品申告書」のみ記入が必要となります。20万円までは免税枠内ですから無税で輸入可能ですが、20万円を超える分の消費税は税関で支払う必要があります。

K24金の金相場は近年1グラムあたり7,000円を超える高値がついています (2021年6月18日現在)。そのため、数十グラムで免税枠の金額を超えてしまうのです。消費税を払わずに国内に持ち込める金はほんのわずかとなります。

 

金の密輸が増えた理由は利益になるから?

近年、金の密輸の摘発が増えています。金の密輸とは、本来税関で消費税を納める義務を怠って物品を国内に持ち込むことです。

密輸の背景には「消費税」があります。日本では金を購入する際に消費税がかかりますが、海外ではインドや韓国を除き、ほとんどの国で消費税がかかりません。つまり、非課税で金を買うことができるのです。密輸する人は、海外で購入した金を国内で売って消費税分を儲けようとしています。

消費増税が行われると、摘発数が増える傾向です。実際に、消費税率が8%に上がった2017年に押収された金の量は、増税前と比べて50倍近くになったというデータもあります。現在の日本の消費税率が10%であることに加えて金の相場が高騰しているため、押収される金の量はさらに増えている可能性があります。

もちろん、財務省関税局も金の密輸に手をこまねいているわけではありません。2017年には「『ストップ金密輸』緊急対策」を発表して、より厳格な取り締まりと処罰の強化に乗り出しています。

金を持ち込む場合は絶対に申告が必要

結論からいうと、海外から金を国内に持ち込む場合は、絶対に申告が必要です。たとえ免税枠の範囲内であっても、申告するに越したことはないでしょう。

「『ストップ金密輸』緊急対策」では対策の方針として、まず入国する旅客や貨物に対しより厳重な取り締まりと徹底した検査を行うことを打ち出しています。

金の密輸をする人は、あらゆる手を使って金を持ち込もうとします。腹巻の中や靴の中といった一般人でも思いつきそうな場所だけでなく、カツラやネックピローといった意外な物の中に隠して持ち込もうとするつわものもいるほどです。

関税局は摘発された金密輸は氷山の一角と考えており、門型金属探知機やX線検査装置の新規配備・拡充による高効率の検査を開始しています。さらに摘発者への罰則は厳重化されています。そこまでのリスクをとって金を密輸するより、きちんと申告して必要なら消費税を払った方が賢明だと言えるでしょう。

20万円までの金製品なら合法的に稼げる?

免税枠内の20万円であれば、海外で購入した金を国内で売ることで合法的に稼ぐことは理論上可能です。その場合、単純計算すると20万円の消費税分なら2万円だから「おいしいかも」と思うかもしれません。

残念ながら、実際に手にする額はそれ以下です。海外で購入する際の通貨の両替手数料がかかりますし、国内で売る際の手数料もかかります。場合によっては赤字にもなりかねないので、それでは本末転倒です。

仮に利益が出たとしても、稼ぐというよりはほんのお小遣い程度。細かいルールを理解していないと、知らないうちに法を犯すことにもなりかねないので注意が必要です。

20万円までの金製品を国内で売却して合法的に利益を出すことは可能ですが、十分注意が必要だということは覚えていたほうが良いでしょう。

海外に金を持ち出す場合の注意点

逆に、日本から海外に金を持ち出す場合についても見ておきましょう。

海外に金を持ち出す場合も、輸入同様ルールに従う必要があります。携帯する金地金(純度90%以上)の重量が1㎏を超える場合、出国に際し税関に「支払手段等の携帯輸出・輸入申告書」を提出します。

特に高額な場合は一般的な貿易と同様の輸出手続きを要する場合もあるため、注意が必要です。迷った場合はまず税関に確認してください。

まとめ

金は高額な物品のため、輸出入の際にはきちんと申告することが重要です。

たとえ少量でも規定の金額を超えることもありうるので、知らないうちに法に触れないように注意が必要です。

熊本の質屋「質乃蔵(しちのくら)」店舗情報

熊本の質屋 「質乃蔵」では、金やプラチナといった貴金属を専門に買取査定しています。もし、不要な指輪やネックレス、ピアスなどありましたら査定は無料ですので、是非ご利用ください。

熊本市東区にある質屋「質乃蔵(しちのくら)」の店舗情報です。
>>「熊本の質屋 質乃蔵の店舗情報」はこちら
金プラチナの買取実績を公開中です。ご参考ください。
>>「質乃蔵の金プラチナ買取実績」はこちら

 

貴金属関連のおすすめ記事

金相場が今後どのように変動するのか?金相場の上がる原因、金相場の下がる原因について理解しておくことによってある程度、予想することができます。
>>「金相場の今後の見通しが衝撃的過ぎる!未来予想とは?」
金の価格は日々変動しています。今でこそ安定資産と言われる金ですが、過去には暴落した歴史もあるのを知っていますか?金相場の暴落予想について詳しく書いてます。
>>「金の価格が暴落するのを予想!4つの悪条件が重なると危険」
金の埋蔵量は地球には、あとどれぐらい残っているのか?過去から現在までの採掘量などについても詳しく買いてます。
>>「金の埋蔵量は地球にどれぐらい残ってる?採掘量から見た衝撃な内容」
日本には、かつて新潟県、静岡県、福島県、大分県と金山がありましたが今は、閉山となっています。日本国内にも唯一現存する金山について詳しく書いてます。
>>「日本の金山はどこにある?たった1箇所残っている金山が意外過ぎる!」
日本はかつて、「黄金の国ジパング」と呼ばれていました。名前の由来について歴史的な視点から見ていきます。
>>「黄金の国ジパングの由来は歴史にあった!日本が呼ばれた衝撃の理由」
金(GOLD)の作り方を知るには、「冶金(やきん)」という聞き慣れない言葉を理解する必要があります。「製錬」「精錬」「精製」など、金の作り方を紹介。
>>「金(GOLD)の作り方!冶金(やきん)の意味を徹底解説!」についてはこちら
金とプラチナ製品って酸化しないの?もし黒く変色してしまったときの対処法などについても詳しく紹介します。
>>「金とプラチナは酸化しないの?指輪ネックレスが変色したときの対処法」
海水の中には50億トンという金が存在しています。海水から金を抽出する技術などないのか?詳しく紹介します。
>>「海水の中に金が50億トン存在する!抽出できれば大金持ち」
本物の金かどうかを調べる方法は比重計を使います。どのような計算で調べるかなど詳しく紹介します。
>>「金の密度・比重で真贋!本物の金か見分ける5つの方法を徹底解説」
プラチナとホワイトゴールド、シルバーは同じ色に見えます。しかし、素材としては全く異なるものです。違いを解説。
>>プラチナとゴールド(金)シルバー(銀)違いとは?素材を徹底解説