質乃蔵(しちのくら)の児玉です。
金とプラチナの1gあたりの値段が高騰しています。そんな中、メルカリやヤフーオークションに出品されているタングステンをK18金やプラチナと思って購入してしまうことも。
実は、質屋や貴金属買取専門店など私達の同業者の間でも見分け方が難しく注意が必要なのがタングステン!
タングステン自体は非常に安価なものなので、騙されて購入してしまう被害が後をたちません。
ということで今回は、金やプラチナとタングステンの見分け方について解説していきます。
目次
そもそもタングステンとは、いったいどんな物質なのか?
非常に固く、金と同じ重さがあるので、兵器などにも利用されています。また、金やプラチナと比重がほとんど同じなので、金やプラチナ製品の指輪やインゴットなど偽物が横行しているのが問題となっています。
「金とタングステン」「プラチナとタングステン」は、見た目だけでは分かりません。
タングステンは、分かる人が見れば光沢などがあるので、見分けれる可能性があります。
金やプラチナの多くは磁石には付きません。※例外的に磁石に付くのもあります。
タングステンも磁石に付きません。
ということで、残念ながら「金とタングステン」「プラチナとタングステン」は磁石だけでは見分けることができないということです。
種類 | 比重 |
K24(純金) | 19.32 |
PT1000 | 21.45 |
タングステン | 19.3 |
上記を見て分かるとおり、K24(純金)とPT1000(プラチナ)、タングステンの比重は、ほとんど変わらないことが分かると思います。
ということで、比重では「金とタングステン」「プラチナとタングステン」を見分けることができません。
メルカリやヤフーオークションなどで、K18金やプラチナの指を購入するときに騙せれないようにしなければなりません。
タングステンの指輪は、非常に硬いので通常のペンチなどでは切ることもできません。それと比べるとK18金やプラチナの指輪は柔いのでペンチを使えばすぐに切れます。
非常に硬いというタングステンの特徴がK18金やプラチナの指輪と見分けるポイントです。
K18金の指輪に印字されている刻印は、堀が深いのが特徴(K18金の素材が柔いので彫りやすいため)
タングステンの指輪に印字されている刻印は、レーザー刻印になっているのが特徴(タングステンの素材は硬いのでK18金の指輪のように掘れない)
指輪の内側に印字されているK18刻印が深ければ金製品、レーザー刻印の場合はタングステンの可能性が高いというのが見分け方のポイントです。
質屋や買取専門業者などが査定しているときに使っているのが試金石です。もちろん私も貴金属を査定するときに使っています。
上はK18金の指輪を試金石で削ったものです。金は柔らかいので、金色が試金石に付着しました。
下はタングステンの指輪を試金石で削ったものです。タングステンは基本硬いので削れませんが、表面のコーティングされているメッキ部分が白く付着しました。
試金石で削ったものを硝酸を付けてみます。硝酸を付けると上のK18金の付着は消えず。下のタングステンのコーティングされているメッキ部分の付着は消えました。
試金石で削って硝酸を付け消えないものは金の可能性が高い。(※表面が金でコーティングされている場合は、硝酸を付けても消えないので注意が必要)
熊本の質屋 「質乃蔵」では、金やプラチナといった貴金属を専門に買取査定しています。もし、不要な指輪やネックレス、ピアスなどありましたら査定は無料ですので、是非ご利用ください。