熊本の質屋 質乃蔵(しちのくら)の児玉です。
K18金やK10金のホワイトゴールドの指輪を使っていたら「黄ばみ」ができたりして変色してしまった!
どれぐらい使ったら変色(黄ばむ)してしまうのか?
今回は、ホワイトゴールドの変色について、詳しく解説していきます。
目次
ホワイトゴールドとは、白銀色の輝きを放つカラーゴールドです。
日本人の肌によくなじみ落ち着いた雰囲気で高級感を演出できるので、アクセサリーや腕時計、宝石の台座などによく利用されています。
結婚指輪や婚約指輪などのブライダルジュエリーにプラチナではなく、あえてホワイトゴールドを選ぶ方も増えています。
まずはブライダルジュエリーの定番ともいえるホワイトゴールドの特徴に迫っていきましょう。
ホワイトゴールドが金なのに白く輝く理由は、パラジウムや銀などの白銀系の金属が割金されているからです。
海外製や古い日本製のホワイトゴールドを除き、現在国内で販売されている製品の多くはパラジウムが含まれています。
パラジウムとは白金族に分類される金属です。主にホワイトゴールドやプラチナ、銀のアクセサリーの硬度を補強するための割金や工業製品、銀歯などに利用されています。
ブランドごとにホワイトゴールドの色合いや風合いが異なるのは、純金やパラジウム、銀などの配合比率が違うからです。
また、純金の配合比率が多ければ多いほど、ホワイトゴールドの価格は高くなります。
日本でアクササリーによく使われるのはK18とK10。全く同じデザインの指輪であれば、K18のホワイトゴールドの方が高額になります。
その理由はK10が純金42%+パラジウム・銀58%と割金の比率が高いのに対し、K18は純金75%+パラジウム・銀25%と純金の比率が圧倒的に多いからです。
それに加えてパラジウムは非常に軽い金属で、1㎤あたり12gとプラチナの約1/2の重さしかありません。
「軽くて普段使いにぴったり」という理由で、結婚指輪にホワイトゴールドを選ぶ方も少なくありません。
硬くて傷が付きにくいところもホワイトゴールドの特筆すべき点です。
やわらかい純金はそのままだと傷が付きやすいので、アクセサリーなどに使うときは他の金属を割金して硬度を強化しています。そのためホワイトゴールドは傷や変形に強い丈夫な金属といえます。
金属の硬さを表す単位の1つにビッカーズ硬度(単位=HV)があります。
鋳造製法にもよりますが、K18のホワイトゴールドのビッカーズ硬度は約120~150HVなのに対し、プラチナ900/950は約80~100HVしかありません。
またほとんどのホワイトゴールドアクセサリーに、傷や変色防止などの目的でロジウムメッキが施されています。
ロジウムは硬い金属なので、仕上げにコーディングすることでホワイトゴールドの耐久性
と白い輝きを強化する役割を果たしています。
ホワイトゴールドの指輪をお持ちの方から、「何年使うと変色しますか?」といった質問が寄せられることがあります。
経年劣化による変色が、いつ表れるか具体的な年数でお伝えできません。変色は鋳造製法や割金の配合比率などさまざまな要因に左右されるからです。
ホワイトゴールドの指輪の変色でよくあるケースは、汗や皮脂などで表面のロジウムメッキが剥がれて、地の金の色が強く出てしまうことです。
ロジウムメッキの劣化は早くて数年程度。しっかりコーディングされている指輪だと10年以上たってもメッキが剥がれないケースもあります。
金やパラジウムは変色に強い金属ですが、銀は硫化や酸化が原因で黒く変色しやすい金属です。
純金の含有量が少ないK10の指輪だと、メッキが剥がれたあとに割金に含まれる銀の変色の影響で数年足らずでくすんでみえることも少なくありません。
変色したホワイトゴールドの指輪を元の色に戻す方法はいくつかあります。
ここでは当店で一番おすすめしたい方法に絞って解説します。
手っ取り早く変色を戻したい方は、貴金属修理店でロジウムメッキをかけ直してもらうとよいでしょう。
貴金属修理店に持っていけば、ロジウムメッキをかける前に経年劣化による傷や変形、汚れなどを取り除く新品仕上げを行ってくれるからです。
傷や変形を残したままでロジウム加工を行っても、キレイにメッキをかけることができません。
洗浄したのちに表面をピカピカに磨きあげてから、再度ロジウムメッキをかけることで、購入当時の白銀の輝きが復活します。
新品仕上げとメッキ加工の相場は、3000~5000円前後。お財布に負担のない金額で修理ができるので、ホワイトゴールドの変色にお悩みの方は修理店に相談してみてください。
ホワイトゴールドの変色を防ぐ方法を3つ紹介します。
変色を防ぐ最も簡単な方法は、使用後に毎回クロスで汚れをふき取ることです。
肌に直接触れるアクセサリーには、汗や皮脂、ハンドクリームなどの汚れが付着しています。これらはホワイトゴールドの変色を早める原因となりかねません。
箱やジュエリーボックスに保管する前に、専用のクロスやメガネ拭き、セーム皮などやわらかな布で汚れを取り除きましょう。
研磨剤を含む貴金属専用クロスは細かい傷を落とす効果はありますが、ロジウムメッキが剥げる原因となるので、毎日のお手入れに使うのはおすすめできません。
中性洗剤を使って定期的にお手入れするのも、変色を防ぐ有効な手段です。
容器に35~40度のぬるま湯を注ぎ、中性洗剤を数滴たらしてよく溶かします。
中性洗剤をたらしたお湯に15~30分ほどつけ置きし、汚れが落ちたらきれいなぬるま湯ですすぎましょう。
細かい汚れが気になる方は、ぬるま湯ですすぐ前に化粧筆ややわらかな歯ブラシなどを使って優しく洗ってみてください。
ぬるま湯で十分にすすいだあとは、やわらかい布で水気をふき取ればお手入れ完了です。
ただしエメラルドやパールなど中性洗剤によるつけ置き洗いができない宝石もあります。
宝石付きのホワイトゴールドをお持ちの方は、お手入れの前に中性洗剤を使って問題ないか購入店に確認してみるとよいでしょう。
温泉やお風呂に入るときに身に付けないのも、変色を防ぐ1つの方法です。
金そのものは変色に強い金属ではあるものの、割金の金属が温泉の成分に反応して変色する可能性があります。表面のロジウムメッキが温泉の成分で剥がれてしまうことも。
特に硫黄泉の温泉は変色しやすい傾向にあり、「入浴前にアクセサリーは外してください」と注意を促す温泉施設も少なくありません。
また自宅のお風呂で使うシャンプーやボディソープには、洗浄力を高めるために硫化ナトリウムが含まれた製品もあります。硫化ナトリウムもホワイトゴールドの変色を招く原因の1つとされています。
白銀の輝きを長持ちさせるためにも、アクセサリーを外して入浴することを習慣づけましょう。
ホワイトゴールドで金属アレルギーの原因となりやすい素材は、パラジウムとニッケルです。
全くないとはいいませんが、金やロジウムはアレルギーが起きにくい金属です。
しかしパラジウムとニッケルは、厚生労働省や歯科医師など複数の調査データから、アレルギーの陽性反応率が高い金属であると判明しています。
それに加えてパラジウムでアレルギー反応が出る方は、ニッケルでもアレルギーが発症しやすい傾向にあります。
国内製のホワイトゴールドの多くは割金の素材にパラジウムを使用。古い製品や海外製のホワイトゴールドは、ニッケルの配合比率が高くなっています。
パラジウムで割金する製品でも、メッキ仕上げに使うロジウムの下地にニッケルが使用されるケースが少なくありません。
金属アレルギーが心配な方は、ホワイトゴールドのアクセサリーを購入する前に皮膚科のパッチテストでどの金属に反応するか検査するとよいでしょう。
ホワイトゴールドは長年愛用していくうちに、ロジウムメッキが剥げて地の金色の色味が強くなり、変色したように見える金属です。
また割金の金属の変色により、くすみが目立つこともあります。
上品な白い輝きを長く保つためにも、定期的にお手入れするようにしましょう。
熊本の質屋 「質乃蔵」では、金やプラチナといった貴金属を専門に買取査定しています。もし、不要な指輪やネックレス、ピアスなどありましたら査定は無料ですので、是非ご利用ください。