質乃蔵(しちのくら)の児玉です。
プラチナというと、日本ではジュエリーとしての人気が高い貴金属のイメージがあります。
金と並んで希少性の高いプラチナですが、プラチナがどういった国で産出されるかについては意外と知られていません。今回は、プラチナの産出国ランキングベスト7をご紹介します。
目次
近年の金相場の高騰により価格こそプラチナは金に劣りますが、希少性においてプラチナは金にも匹敵するレアメタルです。
そもそも地上に存在するプラチナの総量は、約1万6千トンといわれ、金の20数万トンとはかなりの開きがあります。1トンのプラチナの原鉱石からたった3gしか採取できず、年間生産量は金の10分の1以下です。
さらに、生産に時間とコストがかかることも希少性を高める一因となっています。
プラチナは日本ではエンゲージリングの定番であるように、ジュエリーとして人気の高い貴金属です。また、自動車触媒・燃料電池・パソコンのハードディスクなど、現代人の生活に欠かせない数々の製品のなかにもプラチナは使われています。
プラチナは隕石によって地球にもたらされたとされる説が有力です。金以上に採掘できるエリアが限られているのはそのためだと考えられます。
2019年の時点でプラチナの産出国の1位は南アフリカです。産出量は約137トンで、2位のロシア以下をぶっちぎりで引き離しています。
3位はジンバブエ、4位はカナダ、5位はアメリカと続きます。
南アフリカで産出されるプラチナの量は、全世界のプラチナの産出量の約4分の3にものぼります。
南アフリカのブッシュフェルトにある鉱脈は、約12万平方kmに渡る岩盤地帯にあります。プラチナはその岩盤内にある数十㎝の深さの地層から採掘されるのです。
プラチナ産出国ランキング2位はロシアです。広大な国土を持つ国であればあるほど豊富な資源に恵まれる典型といえるでしょう。
アフリカの中央部に位置するジンバブエが3位です。政治や経済は不安定なジンバブエですが、国を南北に横断するグレートダイク岩体地域からプラチナを含む白金族金属(PGM)が豊富に採掘されます。
4位はカナダです。カナダのオンタリオ州南東部にある鉱業都市サドベリーには、プラチナや銅、ニッケルなどの鉱山と製錬所があります。カナダは5位の米国とは、金の産出国ランキングでも拮抗しています。
5位はアメリカです。米国には、プラチナ共に豊富に産出される国です。白金族金属(PGM)が採掘されるスティルウォーター鉱山があります。
金の産出国としてはトップの中国ですが、プラチナでは6位です。こうしてみると、ロシア、米国、中国は金にもプラチナにも恵まれた国といえるでしょう。
7位はフィンランド。北欧で唯一トップ10にランクインしています。
南アフリカは世界一のプラチナ産出国です。プラチナの産出に関して、南アフリカの産出量は他国を大きく引き離しています。
南アフリカには約12万平方キロメートルの「ブッシュフェルト複合岩体」という岩盤地帯にレアメタルを含んだ地層があります。この鉱脈から多くのプラチナが産出されているのです。
ブッシュフェルト複合岩体はかなりの幅があり、現在のペースで掘り続けてもプラチナはまだまだ枯渇しないと予測されています。レアメタルの採掘は南アフリカで主な産業であり、国民の生活を支える存在です。
南アフリカのプラチナの産出量が突出しているということは、世界のプラチナ流通量・価格は南アフリカの経済状況に大きく依存していることでもあります。
実際、過去には南アフリカで電力供給不足の問題が表面化し、プラチナの価格が高騰しました。金と違って、1つの国の経済状況が世界全体の流通量や価格変動に直接影響するという点が大きな特徴です。
実は、プラチナは日本でも産出されています。量はごく微量ですが、過去に北海道や新潟でプラチナが採掘されていました。北海道などの川からは砂白金(さはっきん)が発見されたこともあります。
砂白金は、プラチナの含まれた「かんらん岩」が風化し、雨水で流され、川底の砂に混じったもの。残念ながらプラチナの含有量はごくわずかです。
現状、日本では貴金属の含まれたスクラップからプラチナなど貴金属を取り出すリサイクルの方が盛んです。宝飾品・医療器具・電子製品などには鉱山から採掘するよりも多くの貴金属が含まれており、都市鉱山として注目を集めています。
金に劣らぬ希少性を持つプラチナ。日本では身近な存在ですが、産出国が限られているということを知らない人も多かったのではないでしょうか。産出国について知ることで、お手持ちのジュエリーなどのプラチナの来歴がわかり、より魅力的に感じられるでしょう。
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