金の売買と消費税について!売却でも税金がかかるのか?注意点を解説

投稿日:2021年7月13日 更新日:2021年09月30日

金の売買と消費税について

質乃蔵(しちのくら)の児玉です。

近年、金相場は今までにないほど高騰しています。この機会に手持ちの金地金などの売却を考えている人も多いかもしれません。

しかし、金の売却にも税金がかかることは意外と知られていません。あとで困ることのないように、金の売買と消費税の関係について詳しく知っておきましょう。

金を売買するときの消費税について

金を売買するときの消費税

まず消費税について基本知識を確認しておきましょう。普段、私たちが買い物をしたりサービスを利用したりするときに商品の価格に上乗せされて一緒に払っている税金、それが消費税です。

消費税は間接税のひとつで、税金を負担する人と国に納める人が異なる税金です。税金を負担するのが消費者(購入者)であるのに対し、納税義務があるのは事業者(商品の小売・サービス提供者)になります。

日本では現在、食品(酒類、外食を除く)、週2回以上発行される新聞にかかる場合を除き、消費税は一律10%かかります。最初に日本で消費税が導入されたのは1989年で、当時は3%でした。その後1995年に5%、2014年には8%、さらに2019年には10%に引き上げられました。

金を売買する場合も例外ではなく、売っても買っても消費税がかかります。ここでは、金を購入する場合、売却する場合、それぞれのケースにかかる消費税を見ていきましょう。

金を購入するときの消費税

金を購入するとき

金の小売価格は、世界共通の金相場とドル円為替相場をもとに計算された「取引価格」をもとに決まります。国内で金を購入する場合はその小売価格に10%の消費税が加算されます。その点は、一般的な買い物と同じです。

ただし金は少量でも高額ですから、金の取引では払う消費税の額もかなり大きくなる点に注意が必要です。例えば、100万円のインゴットを購入するとしたら、消費税は10万円になります。

ちなみに金の購入時に課税される国は世界中を見回しても、それほど多くはありません。日本以外にはインドや韓国が金の購入時に消費税がかかります。ということは、それ以外の国では、金は課税されないということになります。

そのため、海外に旅行した機会に金を購入して国内に持ち込もうと考える人も少なくありません。ただし、金の輸入には注意が必要です。金額制限や用途の規制といったことはありませんが、国が定めたルールに従わないと、金を密輸することにもなりかねません。密輸にならないように、きちんと関税法、消費税法などについて頭に入れておきましょう。

海外から金製品を持ち込むときの注意点について解説しています。
>>金の輸入!海外から金製品を持ち込みする場合2つの注意点

 

金を売るとき(買取)の消費税

金を売るとき

次に金を売却するときの消費税について解説します。

金を売却する場合も、買う側は金の価格に上乗せして10%の消費税を支払わなくてはなりません。それは個人で所有していた金を業者に買い取ってもらう場合も同様です。

個人で金を売却した場合、消費税を受け取った後はどうしたらいいのでしょうか。通常の売買では、消費者が小売業者などに払った消費税は業者に納税義務があります。では個人でも金を売ったら、消費税を国に納める義務はあるのかと考える人もいるかもしれません。

実は金は売却する人が個人(給与所得者)か事業者(個人事業主含む)かによって、納税義務の有無が決まります。個人で金を売却した(買い取ってもらった)場合は納税する義務は発生しません。

このことだけだと、個人で金を売却すると儲けられると思う人も出てくるでしょう。ですが、個人であっても営利目的で継続して金の売買をする場合は、課税売上高にもよりますが納税義務が生じるので注意が必要です。

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消費税の納税義務とは?

金の売却で得た消費税の納税義務があるのは、主に営利目的で継続的に金の売買を行う事業者、もしくは個人事業主です。ただし、課税売上高が1,000万円を超えなければ納付は免除されます。

金の売買を頻繁に行う場合の納税義務について

さらに、金の売買をするときにかかる税金については知っておくべきことがあります。

金を売ったのが給与所得者であれば、その収益や給料など他の所得と合わせて「譲渡所得」として課税されます。

ただし、金の所有期間が5年以内である場合と、5年を超える場合とで、課税される譲渡所得の金額は異なります。5年を超える場合は5年以内の所有と比較して、課税される譲渡所得は半分になります。また、譲渡所得の特別控除額は50万円です。

一方、事業者・個人事業主など、営利目的で継続的に金を売買する場合は「事業所得」もしくは「雑所得」として課税対象になります。

消費税率が今後上がる場合!金を購入すると儲かる?

消費税率が今後上がる

個人で金を売る場合、消費税分は丸々利益になりますから、消費税が低いときに買った金を消費増税後に売れば消費税の差額分がさらに利益が増えることになります。

日本の消費税は1989年に導入されて以来、上がり続けています。今後も増税される可能性は大いにありますから、長期的なリスクヘッジとして金の購入を検討する人は増加傾向です。

今後何らかの原因で金相場が変動し、損失を被ることもないとは言えませんが、金相場は今までにない高騰傾向にあります。売り時さえ間違わなければ今、金の購入をしておくのもひとつの方法です。

まとめ

金の売買を考えたとき、消費税の存在は無視できません。たまたま所有していた金を売る場合から投資目的で金を売買する場合まで、消費税を含めた金の売買に関係する税金はケースバイケースです。まずはよく調べ、場合によっては専門家に相談するなどして、トラブルを回避しましょう。

 

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