熊本市東区の質屋 質乃蔵(しちのくら)の児玉です。
敏感肌の人にとって心配の種である、金属アレルギー。とくに結婚指輪やネックレスなど、肌に触れる時間が長いアクセサリーの素材を選ぶときに「アレルギー反応が起こるのではないか」と心配になりますよね。
一般的にプラチナはアレルギーが起こりにくいといわれているものの、実際に安心して身につけられるのか気になっている人も多いでしょう。
本記事では、プラチナ素材が金属アレルギーを引き起こすリスクがあるのか解説します。
アレルギーのリスクが低い素材や選び方、アレルギーを防ぐ対策方法も紹介するので、特別なジュエリーを購入する前にぜひチェックしてくださいね。
目次
金属アレルギーとは、金属が汗や水分と反応して溶け出し、金属イオンが皮膚に浸透して免疫反応を引き起こすアレルギー症状です。
かゆみや赤み、水ぶくれ、湿疹などが発生してしまうので、発症した場合は原因となる金属との接触を避けなければいけません。
プラチナでも、金属アレルギーを発症する可能性があるのか調べてみましょう。
プラチナのアクセサリーでも、純度によっては金属アレルギーが起こる可能性があります。割り金として、ほかの金属を混ぜる場合があるためです。
プラチナ自体は、アレルギーを起こしにくい金属です。しかし、純度が高く傷つきやすいので、硬度を高めるためにほかの金属を混ぜることがあります。
例えば、90%がプラチナで構成されているPT900は、残りの10%はほかの金属を用いています。割り金として用いられるニッケルやパラジウムなどに反応し、アレルギーを発症する人もいるので注意しましょう。
なお、95%がプラチナで構成されているPT950は、比較的アレルギーを発症しにくいといわれています。肌がデリケートな人は、PT950を選んだり割り金に何を使っているのか事前に確認したりするとよいでしょう。
結婚指輪やネックレスは、皮膚との接触時間が長くなりがちで、アレルギー反応が出やすい傾向にあります。
とくに、以下の金属を素材に使用している場合は、アレルギーを発症しやすいので注意しましょう。
それぞれの特徴を解説します。
ニッケルは、最も金属アレルギーの頻度が高いといわれている素材です。
耐久性やコストの面で優れているため、多くのアクセサリーに使用されています。しかし、体内に吸収されると免疫系が過剰反応しやすく、アレルギー反応を起こす可能性が高いので注意しましょう。
アクセサリーのほかにも、50円玉や100円玉などの硬貨や歯科金属、磁石、塗料、陶磁器などにも含まれており、日常的に触れる機会が多い金属です。缶詰・緑黄色野菜・ココア・蕎麦などの食材にも含まれており、完全に避けることが難しいと考えられます。
ニッケルにアレルギー反応が起こる場合は、汗を拭いたらこまめに拭き取って、日頃から対策を取るとよいでしょう。
コバルトも、金属アレルギーを引き起こしやすい素材のひとつです。
とくに工業製品や合金に多く含まれ、肌に触れることでアレルギー反応を誘発する場合があります。歯科治療に使用される金属や、安価なアクセサリーに含まれることも。
また、ニッケルアレルギーのある人は、コバルトにも反応を示す場合があるため注意が必要です。
アクセサリーを購入する際には、コバルトフリーまたは低アレルギー性と表示されているか確認しましょう。
金属アレルギーの原因物質として知られているクロムは、とくにメッキ加工に使われることが多いです。
錆びにくく美しい光沢を出せますが、長期間肌に接触すると、アレルギー反応を引き起こすので注意しましょう。
つけっぱなしにしている場合は、お風呂や手を洗ったタイミングでアレルギーを発症する恐れも。また、汗をかきやすい夏場では、かゆみや赤み、水ぶくれなどの症状が悪化する可能性が高いといえます。
とくに敏感肌の人は、クロムメッキを施していないアクセサリーや、純度の高い金属を選ぶよう心がけましょう。
肌がデリケートな人や、つけっぱなしにしたい人は、金属アレルギーになりにくい素材を選ぶとよいでしょう。
おもに以下の素材は、金属アレルギーになりにくいといわれています。
それぞれの特徴を、詳しく解説します。
プラチナは、金属アレルギーになりにくい素材として頻繁に挙げられています。割り金の素材に気をつければ、金属アレルギーのリスクが極めて低いので、安心して身につけやすいことが特徴です。
銀白色で上品な光沢があり、高級感がある点も魅力。変色しにくく、美しい輝きを長期間保てます。貴金属のなかでも希少価値が高いため、他の金属より価格は高めです。
純度が高いほど金属アレルギーのリスクは低いとされており、純度がほぼ100%のPT1000にはパラジウムなどの割り金も入っていません。
ただし、PT1000は非常にやわらかく傷がつきやすい分、形を整える加工が難しいとされています。宝石をはめ込む爪の設置が不可能である他、日常生活の衝撃で潰れてしまう恐れも。PT1000のアクセサリーを購入するなら、慎重に扱うことを心がけてくださいね。
ゴールド(K24)は金属アレルギーになりにくい素材のひとつです。化学的に安定している金を99.9%使用しており、肌に優しい特徴を持ちます。他の金属がほとんど含まれていないため、アレルギー反応を引き起こすリスクも極めて低いでしょう。
ゴールド(K24)は、鮮やかな黄金色で華やかさが際立つことが特徴的。ただし、PT1000のプラチナと同様に非常にやわらかく、傷つきやすく変形しやすい点がデメリットです。日常使いのアクセサリーでは、金が75%使用されているK18などの合金が主流とされています。
K18やK14などを選択肢に入れる際は、割り金に使用している金属を事前に確認してくださいね。
ステンレスは金属アレルギーのリスクが低い素材です。とくに医療にも用いられているサージカルステンレスは、安全性が高いとされています。
サージカルステンレスは、ニッケル含有量が極めて低く、人体への影響が少ないことが特徴的。錆びにくく、耐久性にも優れています。プラチナほどの高級感はありませんが、銀白色の落ち着いた光沢がシンプルでスタイリッシュな印象を与えます。
比較的安価で、コストパフォーマンスが高い点も魅力です。ただし、硬度が高いのでサイズ直しや細かい加工がしにくい点に注意しましょう。
チタンは非常に軽量で、金属アレルギーのリスクがほぼない素材です。耐腐食性が高く、化学的に安定しているため、肌に優しい素材として知られています。
純チタンは空気に触れると表面に強固な酸化被膜を作り出し、汗や水分に触れても溶け出しにくいことが特徴です。生体適合性も高いことから、医療器具やインプラントにも使用されています。
黒みを帯びた銀色で、控えめな印象を与えられます。表面処理を施したものなら、ステンレス素材のような銀白色に仕上げることも可能です。
なお、近年ではチタン素材でアレルギー反応が起こる人もいるので、絶対に安全とは言い切れません。気になる人は、パッチテストなどを受けてから身につけることをおすすめします。
プラチナの指輪で金属アレルギーを防ぐには、以下を心がけましょう。
プラチナはアレルギーを起こしにくい金属ですが、純度が低いと他の金属が原因でアレルギー反応が出ることがあります。
例えば、PT950とPT900を比較すると、純度が高いPT950のほうがアレルギー反応が生じる可能性が低いもの。可能な限り、PT950以上のプラチナを選ぶとよいでしょう。購入する前に、混合金属の成分表を確認しておくことも大切です。
また、汗や汚れが金属表面に定着しないよう、使用後は汗や汚れを柔らかい布で拭き取りましょう。定期的に専門店でクリーニングを依頼することも、皮膚トラブル防止に役立ちます。
プラチナの指輪に透明な保護コーティングを施すこともおすすめです。金属が皮膚に直接触れにくくなり、金属が溶け出すのを防ぎます。コーティングは時間とともに剥がれるため、定期的なメンテナンスを行いましょう。
金属アレルギーの症状が現れた場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
アレルギー反応は放置すると、悪化する恐れがあります。慢性的な皮膚炎や、他のアレルギーを引き起こすリスクに繋がることも。専門医による診断を受けて原因物質を特定し、適切な治療を受けましょう。
皮膚科の受診に加えて、アレルギーを引き起こした金属を避けることも大切です。治療中は患部を清潔に保ち、刺激を避けてくださいね。
自己判断で指輪を外したり市販の薬を塗ったりするだけでは、症状が改善しないことがあります。気兼ねなくおしゃれを楽しむためにも、専門医に相談しましょう。
金属アレルギーはプラチナの指輪やネックレスでも起こる可能性があります。しかし、適切な素材選びやケアを行えば、リスクを大幅に軽減できます。
プラチナのなかでも、純度の高いPT1000やPT950はアレルギーになりにくいのでおすすめです。また、ゴールド(K24)・ステンレス・チタンなどの素材を選べば、敏感肌の人でも安心してジュエリーを楽しめます。
万が一、アレルギー反応が出た場合は、早めに皮膚科を受診して適切な治療を受けましょう。
結婚指輪や婚約指輪は、人生の大切な思い出を象徴するジュエリーといえます。自分の肌に合った素材を選んで、快適に長く身につけてくださいね。
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